第2章 相手に依頼するとき


Please の使い方と限界

日本の学校では「Please ~」を習い、依頼やお願いの万能表現として教えられます。しかし、英語圏の大人の会話では「Please ~」は必ずしも丁寧には聞こえません。場合によっては命令を和らげただけに感じられ、距離感のある相手に使うと違和感を与えることがあります。
例えば、 “Please sit down.” は直訳すれば「どうぞお座りください」ですが、日常的な会話では少し命令的に響きます。そこで、より自然な依頼の表現が必要になります。

Could you / Would you の使い分け

依頼を柔らかくする基本的な方法は、助動詞を使うことです。

  • “Could you open the window?”
  • “Would you pass me the salt?”
    どちらも「~していただけますか」という丁寧な依頼です。
    “Could you” は「能力的にできますか」というニュアンスから生まれた表現で、実際には依頼をやわらげる慣用句として使われます。一方で “Would you” は「あなたの意思としてしていただけますか」という響きをもち、より丁寧な印象になります。

遠回しの依頼(I was wondering if…)

さらに丁寧に依頼する方法として、回りくどい表現を使うことがあります。たとえば:

  • “I was wondering if you could help me with this.”
  • “Would it be possible for you to send me the file?”
    これらは「お手数ですが~していただけないでしょうか」というニュアンスをもち、相手に負担をかけない姿勢を示します。直接的な “Do this.” のような言い方とは正反対で、相手に敬意を示す大人の表現です。

依頼の仕方ひとつで、話す人の品格や思いやりが伝わります。大人の英語では、相手に「頼んでいる」ことを意識させずに協力を得ることが大切です。


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